近江鉄道電気機関車特別イベント [撮影日記]
12月16日(土)
朝、新快速電車に乗って、彦根まで。彦根に赴く理由は、近江鉄道電気機関車特別イベントに参加するため。
彦根駅に隣接した、近江鉄道ミュージアムには3形式10両の電気機関車が保存されていましたが、順次、解体されることとなり、解体前に10両を一堂に公開する最後のイベントです。
3形式の電気機関車は鉄道ファンにとっては国宝級の存在です。
ED31形
JR東海飯田線の前身の伊那電気鉄道が1923年に新製(製造は、芝浦製作所および石川島造船所)、国産電気機関車の黎明期を今に伝える存在です。伊那電気鉄道は戦時買収で国有化されて国鉄を経て、近江鉄道に譲渡されました(一部の車両は西武鉄道を経て近江鉄道に譲渡)。6両製造され、5両が近江鉄道に集結しました(残り、1両は国鉄を経て上信電鉄に譲渡)。
ED14形
東海道本線の東京口の電化当初、貨物列車牽引用として、1926年に米国より輸入されました(製造はGE))。東海道本線から中央本線さらに仙山線に活躍の場を移し、近江鉄道に譲渡されました(一部の車両は一時、西武鉄道でも活躍)。カワイモデルの模型でも有名な電気機関車です。4両製造されて、4両ともに近江鉄道に集結しました。
ロコ1100形
JR西日本阪和線の前身の阪和電気鉄道が1930年に新製(製造は、東洋電機および日本車輌)、天王寺駅で高架上の阪和電気鉄道と地上の国鉄線を結ぶ急勾配のスロープを使った貨車の授受の目的で作られた電気機関車です。急勾配に対応するため入換用途ながら発電制動を装備しているのが特徴でした。阪和電気鉄道を吸収合併した南海鉄道(現南海電鉄)、さらには戦時買収で国有化により国鉄を経て、近江鉄道に譲渡されました。製造は1両のみです。
ED311+ED312+ED315 この3両は年内にも解体されるとのことです。
ED313 再塗装されたのか、とても綺麗でした。パン上げが嬉しいです。
ED315 オリジナルではない台車を履いています(他の4両はオリジナルのDT10)。
ED141 スノープロウが仙山線時代の姿を彷彿させます。
ロコ1101 オリジナリティ溢れるデザインに阪和電気鉄道らしさを感じます。
いにしえの電気機関車が大好きな私にとって、近江鉄道が保存してきた国宝級の10両の電気機関車が解体されるのは、とても残念で悲しいことです。寂しいです。。。
しかし、鉄道車両の保存には非常にお金が掛かるので、致し方ないことなのかもしれません。。。大手の鉄道事業者なら博物館に収蔵することが可能かもしれませんが・・・・・
近江鉄道は無償譲渡も検討するとのことですが、イベント会場にいた近江鉄道の方に話を伺うと、「今のところは、譲渡の申し出はありません」とのことでした。。。
何はともあれ、大正から昭和初期に生まれた貴重な電気機関車を今日まで保存してきた、そして、最後の姿を見る機会を作ってくれた近江鉄道には感謝したいと思います。
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