古書店 [つれづれ日記]

昨夜も、いくつもの夢を見ました
いくつもの夢の大半は、いつものように悪夢(オーブントースターから出火、陶器を床に次々と投げつけて粉々に砕き続ける、嫁さんと息子に身に覚えのない浮気を疑われて問い詰められている、などなど)でしたが、ひとつだけ悪夢でない夢を見ました。
その夢の内容は次のようなものです。
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私鉄沿線の駅前といった風情の商店街を歩いていると、間口の広い古書店が目に入り、立ち寄ってみることに。
古書店の中は外の明るさとは別世界で薄暗く、ひんやりとした空気が漂い、木製のこげ茶色の書棚(腰の高さぐらいで雑誌類が平置きしてある)が、幾列も並んでいます。床は土間のような黒っぽく湿った色合いです。店内には4,5人の男性客が本を物色していました。
書棚に重ねるように置いてある雑誌類は大半がエロ本の類、それもマニアック(?)なものばかり。薄暗い店内で、エロ本の表紙の中の、白熱球の光を浴びる荒縄で緊縛された裸の女性の肌の白さが際立ち、目に眩しかったです。
なんだ、エロ本ばかりか・・・、と店を出ようとすると、往年のレーシングカーが表紙を飾る5,6冊の雑誌が目に留まりました。
1冊を手に取ると、ニッサンR380(プリンス自動車が開発した日本で最初の本格的スポーツプロトタイプカー)が表紙を飾っていて、クレイモデルによる風洞実験の模様が紹介されていました。
次に手に取った1冊はA2版くらいの大きさの映画のパンフレットのような雑誌で、表紙を白地に日の丸のF3マシンと生沢徹(往年の名レーサー)が飾っていて、「生沢徹、F3レースで初優勝」のオレンジ色の文字が躍っていました。
表紙をめくると、折りたたんだポスターがホールドされるような構造になっていて、ポスターの1枚は1960年代後半のタキレーシングチーム時代の長谷見昌弘の写真で直筆のサイン入りでした。ポスターのもう1枚は1967年日本グランプリでポルシェ906を駆って優勝した時の生沢徹の写真でした。
私は、その2枚のポスターを見てすぐに、この大きな映画のパンフレットのような雑誌の購入を決意、薄暗い店内の奥のレジの前に座る私と同年代の店主に雑誌を差出して値段を尋ねました。店主は「530円」と応えました。私は「530円は安い!」と言い、店主に「1960年代のモータースポーツ雑誌はよく入荷するのか?」と尋ねると、店主は「ほとんど入ることはない、そこに並べてあるだけ」との返答。
私は「1960年代、世間のモータースポーツ人気は今と比較にならないほど高かった」と言うと、店主は「そうだね・・・・・」と応えました。店主の物言いは、ずっと不愛想でした。
そして、私は硬貨を取り出そうとジーンズの前ポケットに右手を伸ばしました。
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そこで夢から覚めました。
私は繰り返し同じパターン、シチュエーションの夢を見ます。書店、いにしえのモータースポーツ雑誌は私の夢の中によく登場するアイテム(?)です。
そして、昨夜の夢に出てきた、間口が広く、床が土間のような薄暗い、マニアックなエロ本ばかりが並んでいる、少し奇妙な古書店は、頻繁に私の夢の中に登場して、夢から覚めても「この古書店は実在している」と錯覚するような奇妙な感覚に捉われてしまうことがあるほどです。
古書店ではないですが、似たような雰囲気の書店が昔(30年以上前)、高田馬場から早稲田通りを落合方面に向かって1km弱歩いたところにあったことを憶えています。店内はそんなには薄暗くなかったですが、本棚と床は夢に出てくる書店と似通っています。たしかにこの書店で売っていた本の大半はマニアックなエロ本でした。
そんな書店の記憶が夢の中で形を変えて、蘇るのかもしれません。
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最初に手に取った雑誌の表紙のニッサンR380は、1968年日本グランプリ仕様で横山達がドライブした紅白ツートンカラーのマシン。530円で購入した雑誌の表紙の生沢徹のF3初優勝は、1967年のことです。
1970年代の富士グランチャンピオンシリーズ、1980年代から1990年代のF1ブームなど、日本でモータースポーツへの関心が高まった時期がありましたが、モータースポーツが日本の衆目を一番集めた時代は実は1960年代だったのかもしれません。確実にその時代のモータースポーツはファンだけのものではなく、衆目のもの、衆目の関心の的でした。
生沢徹、浮谷東次郎、式場壮吉、滝進太郎、福澤幸雄、田中健ニ郎、砂子義一、高橋国光、北野元、細谷四方洋、浅岡重輝、津々見友彦、酒井正ほか、記憶に残る名レーサーたちの活躍。日本グランプリで活躍したニッサンR380、ニッサンR381、トヨタ7、ローラT70、ポルシェ906、ポルシェ910、ダイハツP-5といったレーシングカー、ツーリングカーレースで活躍したスカイライン2000GTB、ブルーバード1600SSS、トヨタ1600GT、べレット1600GTの勇姿。
日本のモータースポーツ黎明期の1960年代、実はもっとも日本人がモータースポーツに夢を懐き、関心を持った時代だったのかもしれません。
そして、単純なレギュレーションに従ったシンプルなマシンで競われたこの時代のレース、今よりも深い人間ドラマが存在していたようにも思います。
私の記憶にある半世紀前のモータースポーツを懐かしむ心が、夢の中の古書店で、いにしえのモータースポーツ雑誌を見せるのかもしれません。

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おはようございます^^
素敵な夢ですね~なんだかロマンがある。わたくしの夢は概ね逃げている、追いかけられているネガティブな夢ばかりです(-、-
by mimimomo (2018-05-23 06:43)
mimimomoさま、おはようございます。
とてもリアリティがある夢でした。
私も逃げる夢はよく見ます。走って逃げるのではなく、平泳ぎのように空中に逃げる夢です。追跡者は空中までは追ってはこれません。
by 芝浦鉄親父 (2018-05-23 08:40)
私も同じ内容の悪夢をよく見ます(汗)
話は変わりますが
いい年してお恥ずかしいのですが私は不思議好きなので
今だに月刊誌ムーを読んでます(笑)
今月号はエドガーケイシーの夢解釈の記事がありました。
2つの選択物が夢に出てくる時は
実際に何か2つの選択事があって
「どちらか選ぶ時期ですよ」という事みたいです。
信じるか信じないかは・・・・・・ですけどね(^_^)
by ヒロミ (2018-05-23 19:18)
ヒロミさま、こんばんは。
悪夢の話は置いておいて・・・・・、月刊誌ムーは書店で手に取って、めくって見ることはありますが、購入して読んだことはありません。何故か書店では鉄道雑誌の傍に置かれていることが多いです。
但し、月刊誌ムーが扱う分野(?)には関心があります。矢追純一さんのTV番組は大好きでしたし、内田秀男さんの本は中学・高校時代に数冊読みました。
by 芝浦鉄親父 (2018-05-23 19:54)
夢って覚えてる夢を人に話したり文章に書いたりできるって面白いと思います。
良い夢をみて、けっこう胸が高まる感じがしたのではないでしょうか^^
良くない夢は覚えていたくないけど、「しあわせだったな^^」という夢は得した気持ちになります☆
by ake_i (2018-05-23 22:29)
ake_iさま、こんばんは。
私は眠っている時、ほとんどいつも夢を見ています、それも1つだけでなく、いくつもの夢を見ています。
朝、目覚めた瞬間は見た夢のほとんどを憶えているのですが、シャワーを浴びたり歯を磨いたりしている間に、思い出せなくなる夢も多いです。
そんなわけで、枕元に手帳を置いて、朝、目覚めたときすぐに見た夢を全て記録しようと思ったことが何度もありますが、夢を書き留めることは良くないという話を聞いたことがあるので、実行には移していません。
by 芝浦鉄親父 (2018-05-23 23:03)
同じ場面の夢は時々見ますが、わたしの場合エロチックな夢は皆無ですね。それにしても見た夢をよくこんなに覚えていることに感心します。
by 暁烏 英(あけがらす ひで) (2018-05-30 20:34)
暁烏 英さま、こんばんは。
若いころから(?)、いわゆる性夢を見たことは殆どないです。見てみたいのですが・・・
シャワーを浴びたりしている間に忘れてしまう夢以外は、見た夢の内容は子細に覚えています。あまり楽しい夢を見ないので、覚えていることで厭な気分になることも多いのですが。。。
by 芝浦鉄親父 (2018-05-30 21:03)
まるで小説の冒頭のようで、読み入ってしまいました。
予知夢かもしれませんよ。
きっとそのうち、この素敵な古書店に巡り会えるのかも(^^)
by gon (2018-06-05 04:24)
gonさま、おはようございます。
私の夢によく登場するこの古書店、とてもリアルで夢と解ってはいても、どこかに実在しているような気がします。
昔は駅前の繁華街に当たり前のようにあった古書店、今は滅多に見ることはなくなりました。
by 芝浦鉄親父 (2018-06-05 08:22)