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Twins [音楽]

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「Twins」、35歳で早世したJaco Pastoriusのアルバムタイトルです。

1982年、Jaco PastoriusがBig Bandを率いて来日して、オーレックス・ジャズ・フェスティバルに出演した際の演奏を収めたアルバムが「Twins」です。因みに「Twins Ⅰ」、「Twins Ⅱ」の2枚に分けて、演奏の模様が収められています。

私は20代半ばのころ、Weather Reportが大好きでした。Joe Zawinul、Wayne Shorterの両巨頭に Jaco Pastoriusが加わった時代がバンドとして最強、Weather Reportの黄金時代だった思います。

Weather Report時代のJaco Pastoriusの真骨頂は、何といっても、名盤「Heavy Weather」の1曲目に収められているWeather Reportの代表曲 ”Birdland” 。Joe Zawinulのシンセベースのイントロに続いて、Jaco Pastoriusのピッキング・ハーモニクス奏法による印象的なベース・ライン、そこに被さる Wayne Shorterのサックス、、、熱帯植物が百花繚乱するさまを観るような色彩感に溢れた”Birdland”は、Jaco Pastoriusの存在なくしては語れません。

私は1980年、81年の2回、Weather Reportの来日公演を観ました。1980年の公演は残念ながらあまり記憶に残っていませんが、1981年の新宿厚生年金会館の演奏は、今でも記憶に残っています。Jaco Pastoriusがコンサートの冒頭でドラムを叩いたような気がします、そしてニット帽(バンダナだったかも?)に上半身裸で飛び跳ねて演奏していた記憶があります。Weather Reportの演奏は、とてつもなくパワフルで完成されていて、最強のJazz/Fusionバンドであることが、私の脳裡に刻み込まれました(1980年、81年のコンサートを混同して記憶している部分があるかも知れませんが・・・・・)。

Jaco Pastoriusは1982年リリースのアルバム「Weather Report(1982)」を最後にバンドを離れました。Jaco Pastoriusが離れた後のWeather Reportは、私にとっては魅力が薄れてしまい、もはや、彼らのアルバムを熱心に聴くことはありませんでした。

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Jaco Pastoriusのソロ、ビッグ・バンドのアルバムは「Word of Mouth」と「Invitation」の2枚をアナログLPで持っていますが、どちらも殆んど針を通したことがありません。当時、Jazz喫茶では「Word of Mouth」が頻繁にかかっていましたが、「Word of Mouth」の1曲目 "Crisis" の凄みのあるサウンドは、強く印象に残っています。

「Invitation」は「Twins Ⅰ」、「Twins Ⅱ」の演奏を1枚に集約したコンピレーションアルバムです。本当は「Twins Ⅰ」、「Twins Ⅱ」が欲しかったところ、購入しようとしたときにはすでに入手困難だったので、仕方なく「Invitation」を買った次第でした。こんないきさつもあって「Invitation」は購入しても、いまいち聴く気が起きず、(おそらく)1度も針を通したことがないです。

そんな「Twins Ⅰ」、「Twins Ⅱ」がアナログLPリリース時と同じ構成とデザインでCD発売されていることを最近知り、先ず「Twins Ⅰ」を購入して聴いてみました。1982年のオーレックス・ジャズ・フェスティバルのJaco Pastorius Big Bandの演奏を聴くのは、先の理由で初めてのことだと思います。

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1曲目、"Invitation" の 駆け抜けるようなカッコいい演奏で始まるこのアルバム、当たり前ですが、当時の Weather Reportの目指すサウンドとは全く方向感が異なり、とても興味深く聴くことができます。Weather Reportの中では、いくらJaco Pastoriusの存在が大きくても、バンドのサウンドを方向づけていたのは、やはりJoe Zawinul だったのだということが、改めて思い知らされます。

5曲目、Weather Reportの名盤 「Night Passage」に収められていた、哀愁を帯びた、ちょっと神秘的な楽曲 "Three Views of A Secret" 、私の大好きなこの楽曲、Toots Thielemansのハーモニカが印象的で、牧歌的な佇まいを感じさせる仕上がりとなっていて、とても新鮮に映りました。

アルバム全篇を通して、とてもゴージャスで先進的なビッグバンドのサウンドが楽しめます。そして、Jaco Pastoriusのアレンジの素晴らしさ、彼のただならぬ非凡さを、再認識した次第です。

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1987年、Jaco Pastoriusの死を知ったのは、朝日新聞の死亡記事欄でした。小さな死亡記事欄に、ジャコ・パストリアス、元ウェザーリポートのベーシストと紹介されていたように思います。
そのあと、スイングジャーナル誌の記事で、Jaco Pastoriusが死に至った経緯を読みましたが、Jazz界のスーパースターが酔っぱらった果ての暴力沙汰で命を落としたことが、何とも寂しく、悲しくて、残念に思えたことを憶えています。

私のまぶたに焼き付いていた、ステージ上の元気いっぱいの姿とは、全く、そぐわない最期を迎えたJaco Pastorius。。。今回、「Twins Ⅰ」を聴いてみて、やはり彼は天才でした(今頃、何言ってんだ!、と、叱られそうですが・・・・)。

この記事を書きながら、さっそく「Twins Ⅱ」も購入して、天才Jaco Pastoriusが日本で残した貴重な演奏を余すところなく聴きたいと思った次第です。


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