Mountain Dance [音楽]
タイトルのMountain Dance、デイヴ・グルーシンのアルバムです。
最近、歳のせいか、私が20代に聴いていた音楽を無性に聴きたくなります。
そこで、先日、このアルバムをCDフォーマットで再購入して、大阪で35年ぶりに聴いています。
「Mountain Dance」は1980年にJVCレーベルから発売されました。
当時、JVCレーベルはフュージョンに力を入れていて、特にリー・リトナー&ジェントル・ソウツのダイレクトディスク(ダイレクトカッティング)の一連の高品位アルバム、「Gentle Thoughts」、「Sugar Loaf Express」、「Friendship」、「Gentle Thoughts TAKE2」は高い人気を博していました。
しかし、ダイレクトカッティングでプレス枚数が限られたため入手が難しく、私は「Gentle Thoughts TAKE2」しか購入できませんでした。当時、LPの国内盤の価格は¥2500でしたが、JVCレーベルのダイレクトディスクは¥3000と高価した。
因みに、リトナーのダイレクトディスクの諸作はカッティングの演奏の際、同時にテープにもレコーディングされていて、その後、通常プレス盤とCDが発売されています。
「Gentle Thoughts TAKE2」はさすがダイレクトカッティングだけあって、抜群のSN比と誇張感のない、ローレベルにぐーんと伸びた広いダイナミックレンジで素晴らしい音質でした。
「Mountain Dance」はマスターテープからの通常プレス盤でしたが、やはりJVCレーベルらしい高品位な音でした。特にアコースティックピアノのアタック、バスドラム、スネア、タムのアタック、チョッパーベースなどのパルシブな音の立ち上がりが鮮明で、上質なフュージョンがごきげんな音で楽しめるアルバムでした。
今回購入したCDは輸入盤で、オリジナルのJVCレーベルではなく、グルーシンとラリー・ローゼンのGRPレーベル盤です。音の印象はいにしえに聴いた、JVCのアナログ盤と変わらず、相変わらず高品位な音です。ただし、ジャケットはJVCオリジナルのアナログ盤の、白地の中央にデイヴ・グルーシンの写真が配されたものから、GRPレーベルのCDでは、全面、カゥボーイハットのデイブ・グルーシンの写真に変更されています。いにしえを懐かしむのには、ジャケットのデザイン変更は、ちょっぴり残念です。
収められたどの曲も秀逸ですが、私が最も聴きどころにしているのは、1曲目「Rag Bag」、2曲目「Friends And Strangers」、そしてリー・リトナーの演奏のイメージが強い「Captein Caribe」です。
1曲目「Rag Bag」のデイブ・グルーシンのアコースティックピアノにハービー・メイソンのドラム、アル・フォスターのベースが絡んでくるイントロが極めて印象的で、私はアルバム冒頭のこの部分を聴いただけで、ノックアウトされてしまいます。
ドラムスのハービー・メイソンとベースのアル・フォスターの切れ味の鋭い演奏が強力なグルーヴ感を生み出し、このアルバム全体を引き締めています。
リー・リトナーの演奏でおなじみで、アルバム「Gentle Thoughts」にも収録されている「Captain Caribe」も、グルーヴ感溢れる演奏で格別な味わいとなっています。
35年間、このアルバムを聴かない空白の期間があったわけですが、今回、改めて聴いてみると、聴かない期間が勿体なく思うほどに、素晴らしいアルバムだと再認識できました。
現在、さいたまの自宅のオーディオ装置にはスペースの関係でアナログプレーヤーは設置していません。そのため、いにしえに購入したジャズ・フュージョンのアナログディスクが、おそらく400~500枚程度(正確に数えたことはない)が、死蔵されている状態です。
しかし、35年ぶりに聴くアルバムが、こんなにも素晴らしいと感じられるとなると、アナログプレーヤーを再導入して、死蔵されているアナログディスクを聴きなおして、再発掘してみたいです。
欧州製のコンパクトなベルトドライブ、フローティングサスペンションのプレーヤーなら自宅スペースに設置できそうで、製品としてはTHORENSなどが頭に浮かびますが、先ずは先立つものが問題です。まあ、当分はCDで買いなおすことで我慢ですね。
このアルバムが出た翌年の1981年くらいから、フュージョンからメインストリームジャズへ私は急速に傾倒していきました。聴きやすい音楽より、レコード再生、聴くことが真剣勝負、聴くことが修行のようなジャズをだんだんと好んで聴くようになります。そして、レコードの再生音にも強い拘りを持つようになっていきます。
でも、今の私にとっては、そんなことは、もはや昔のことです。これからは、拘りやうんちくを捨てて、よりオープンマインドで好きな、あらゆるジャンルの音楽を聴いていきたいと思う、今日この頃であります。音楽に対して、オープンマインドでないと、「Mountain Dance」みたいな秀逸な作品を封印しかねませんから。。。
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リー・リトナー&ジェントル・ソウツは私もよく聴いてました。
当時学生でお金がなかったので(今もですがw)友達が持ってたダイレクトディスクをテープに録ってました。
ロック〜フュージョン〜ジャズと移行しながら1970年代後半から1980年前半あたりが私的にハマった時代ですが、昔の愛聴盤がボックスでCD化されることも多いので、しばしプチ大人買いしてます。
by またじ (2015-06-19 04:57)
またじ様、おはようございます。
私もポップス・ロック~フュージョン~メインストリームジャズ~クラシックという変遷を経てきました。昔は常に一方通行で、過去に聴いた音楽を振り返ることは決してなかったですが、30代になって暫くすると、徐々に何でも受け入れるようになり、今日に至っています。
これからは、気ままに音楽を聴いていきたいと思います。
by 芝浦鉄親父 (2015-06-19 09:08)