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FEELING THE SPACE [音楽]

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「FEELING THE SPACE」、オノ・ヨーコ(Yoko Ono)が1973年にリリースしたアルバムのタイトルです。

The Beatles で音楽に対する関心を懐くようになった私ですが、20歳代前半までは Yoko Ono に対して良い印象を持ってはいませんでした。

やはり、Yoko Ono の存在がメンバーの確執をより深め、The Beatles を解散に追い込んだ女性という印象がありました(真実かどうかは解りませんが・・・・・)。

映画 「Let It Be」の映像の中の、Yoko Ono を取り巻く、ひんやりとした空気感、、、John Lennon と Yoko Ono がダンスを踊る場面の著しい違和感のようなものが、Yoko Ono に対する私のネガティブな印象を、より強いものとしたのかもしれません。

しかし、そんな、私の Yoko Ono に対するネガティブな印象は、1980年12月8日の John Lennon 射殺事件を境に、消えてなくなりましたが・・・・・

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私が持っている John Lennon のアルバムには、無論のこと(?)、 Yoko Ono あるいは Plastic Ono Band のクレジットがある作品が多いです。

しかし、私は John Lennon のアルバムは、あくまでも John Lennonを聴きたいがために買うのであって、Yoko Ono を聴きたい、彼女の音楽に接してみたいと考えたことはありませんでした。

John Lennon の遺作となった「Double Fantasy」には、John Lennon と Yoko Ono の楽曲が交互に収められていますが、Yoko Ono の楽曲が、この作品の邪魔になっていると感じたのは事実です。アナログLPの時代でも Yoko Ono の楽曲は聴かないようにしてました。。。

そんなこともあって、今まで Yoko Ono のリーダー・アルバムを聴いてみよう、積極的に音楽に接してみようと考えたことはありませんでした。

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昨年末から Yoko Ono のアルバムのリイシュー、リマスター版が順次発売されていますが、その中から「FEELING THE SPACE」のCDを購入、聴いてみました。

The Beatles の音楽を愛する私にとって、John Lennon とともに生きた Yoko Ono がどんな音楽をやっていたかを知らないわけにはいかない、と考えたことが、今になって彼女のアルバムを聴こうと思い立った理由です。

因みに、「FEELING THE SPACE」を選択した理由は、 Yoko Ono 顔のスフィンクスが描かれたジャケットが30年以上の長きに亘って、私の脳裡に焼くつくように記憶されていたからです。いわば、ジャケ買いです。

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「FEELING THE SPACE」を初めて聴いた感想は、『意外!』でした。 Yoko Ono の生き様、そして創作からは前衛、ラジカル、反戦、フェミニズムといった言葉が私の頭の中には浮びますが、そんな言葉とは、ほぼ無縁の、ポップで爽やかな味わいの楽曲がならぶアルバムでした。ひょっとしたら、私が、かなり好きな音楽かもしれません。

リイシューされたアルバムにはボーナス・トラック 7曲を含む、19曲が収録されています。
期待通りに(?)、"Women Power" のようなフェミニズムを強烈に主張するパワフルな楽曲も収録されています。
しかし、大半の楽曲は穏やかという言葉が似合う、綺麗なサウンドでした。このアルバムでは Yoko Ono は様々なトーンの歌声を聴かせてくれます。 "Growing Pain" 、"Yellow Girl "、"Run, Run, Run" といったバラードの Yoko Ono の歌声には惹かれるものがありました。これらの楽曲の Yoko Ono の声は、クリアでピュア、まるで少女が歌うようです。とりわけ、"Growing Pain" は美しさの際立つ、心和む楽曲です。

ボーナス・トラックに収められた "Coffin Car" (Live) は、 淡々と語りかけるような、とてもピュアでクリアな Yoko Ono の歌声が聴ける、味わい深い、心に響トラックです。そして、やはりボーナス・トラックに収められた "Mildred, Mildred" (Demo) 、John Lennon が弾くアコースティック・ギターをバックに Yoko Ono のクリア歌声が聴ける、素朴なサウンドの魅力的なトラックでした。

そして、David Spinozza、Jim Keltner、Michael Brecker など、バックを固めるスタジオ・ミュージシャンたちの演奏が素晴らしいです。随所に素晴らしいソロを聴くことができて、そこだけ切り取るとFusionのアルバムを聴いているようで、Rockのアルバムとして、とても新鮮な感覚です。

「FEELING THE SPACE」がリリースされてから44年、先入観を捨てて、『もっと早く、出会っていたら・・・・・』 と、今回、このアルバムを聴いた私の正直な感想でした。

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私が中学生の時に、The Beatles が解散しました。その頃、彼らの楽曲と出会ったことが、私が音楽を聴くきっかけとなりました。それから、様々なジャンルの音楽を今日まで聴き続けてきました。しかし、今、考えてみると、自分が聴いてみたいと思う音楽の十分の一も聴けていないのが事実です。

「FEELING THE SPACE」のように、私の先入観に全く反して、素晴らしいと感じることができるアルバム、音楽を発見すると、この歳になっても、『もっと、精力的に音楽を聴かねば!』 との決意を新たにする(?)、次第です。


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